現代の鍼は、「刺し方」と「鍼の改良」により、痛みはほぼありません。
【刺し方の工夫】 痛みを感じるセンサーは皮膚にあります。センサーはある一定以上の刺激でなければ反応しません。 すべてのセンサーを避けることはできませんが、刺激を減らすことはできます。日本の鍼は、刺激を減らすために「鍼管」という筒を使います。これにより、「無駄な力を使わずに」「まっすぐ」「一瞬で」皮膚を通過させます。その為、組織をほとんど傷つけずに済み、痛みもあまり感じません。
【鍼の改良】 日本の鍼は、さまざまな工夫がなされています。 1.細い 採血などで一般的に使われる注射針の太さは0.7~0.9mmです。それに対して鍼灸でよく使われる太さは0.14mmと、3分の1以下です。細いほど、痛みセンサーを避けやすく、刺激も少なくなります。 2.先が丸い 注射針は先端がメスになっており、皮膚を切るため痛みが出やすいです。鍼灸の針は先端がミクロ単位で研磨され、丸みを帯びています。そのため、皮膚を傷つけずにスムーズに入ります。
【鍼のひびき】 一定の深さに刺入すると、普通は痛みを感じません。代わりに、何とも言えない独特の感覚が生じることがあります。これを「鍼のひびき」と言います。(ズーン、ドーンなどと感じます。)心地よく感じる方もいれば、苦手な方もいます。なぜ起こるのかは、まだ不明ですが、有害であるという報告はありません。
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